コンビニのレジ、こんな時間にハッシュドポテトかフライドチキンで迷ってる私
「えっと…。ハッシュドポテトとフライドチキン下さい!」
「ハハッ!!自分むっちゃ食うな笑」
後ろからそんな声が聞こえて
「これも一緒にいいっすか?」
そう言って私の横から腕が伸びてそのまま私の前に大きな背中が割って入ってきた。
「えっ…」
あたふたしていると会計は終わっていてその人はコンビニの外へ出て行った
「ちょっと…!」
「はいこれ、ポテトとチキンとカフェラテ?笑」
そう言って彼はビニール袋から取り出し手渡した
「えっと…え?」
「俺の奢りー!てか何で制服着てんの笑」
そう言ってヘラヘラと笑いながらコーヒーの缶を開けて飲んでいる彼
「片桐 玲…」
そう、彼は隣のクラスの片桐 玲
なんで私が彼を知ってるかって、
彼は学園で1番のイケメンで超が付くほどのチャラ男、知らない女の子は多分いない。そして、晴香の好きな人でもある。
「自分、俺の下駄箱に何回もラブレター入れてたよな!一発で分かったよ、バレバレだから笑」
そう言ってまたヘラヘラと笑う
''ラブレター''それは晴香に頼まれて何度か入れた。
「あ、あれは親友に頼まれて入れただけ!私の名前は七瀬 美月!ラブレターの名前と違うでしょ!?」
なんだか自分が恥ずかしくなって、顔がジワジワと熱くなる。
「あ、そうなの?笑、お前が何回もラブレター入れてるって俺の友達の中で有名だぜ?笑」
「だから違うって!!それは親友の代わりに!」
こんなやり取りを繰り返していくうちになんだかさっきまでのどんよりした気持ちが晴れて
いつの間にか笑っていた
「片桐くんってこの辺に住んでるの?」
さっきまで笑顔だった片桐くんの表情が少し曇ったんだ。
「全然。なんか、家に帰る気分じゃないし、テキトーに徘徊?してた」
それはまるで、元々決められたセリフを言っているかのような。真実ではないようなそんな目をしていた。
「そうなんだ、でも補導されたらまずくない?」
「そんな事考えてんの?笑でも自分も出てんじゃん、外」
と言ってまたヘラヘラと笑う。
ー
「私そろそろ帰るね、奢ってくれてありがとう、また学校で!」
「うい!!!気を付けて帰れよー!!」
そう言って私の背中をポンッと押した。
初めて話した片桐 玲の印象は何にも考えてなさそうな奴だった。
その時は途中、アイツの表情が少し暗くなった事なんて気にも掛けていなかった
