その日は講義終わりに元から東京住みの桃香にオススメのコスメショップやご飯屋さんなど、色々紹介をしてもらいながら遊んでいた。

「今さ、俳優の仲西 朔にハマってるんだよね！超カッコよくない！？爽やかイケメンだし演技上手だし、注目の若手俳優なんだよね〜！」

ご飯を食べながら桃香は興奮した様子で話してくる

「う〜ん…？誰それ？私あまり芸能人興味ないんだよね」

「朔くんは絶対に知ってた方がいいよ！ほらっ、こんなにカッコイイんだよーー！」

何枚も仲西 朔とやらの写真を見たり話を聞いたけれど、正直キラキラしながら写真を見せてくる桃香の方が可愛くてその芸能人はどうでも良かった。

「あっ、ごめん！そろそろ帰らないと両親に心配かけちゃう。私ここから電車乗って帰るね！バイバイ！」

時間はもう10時、実家から通っている桃香はそろそろ家に帰らなきゃいけない時間。

「うん！もう遅いもんね！また明日！」

と、笑顔で見送ったまでは良かった。

「よし、私も帰らなきゃ。」