一途のうた




 昼休みが明けて、睡魔が襲う昼からの日程。








 中3になって、受験勉強が始まろうとする重苦しい時期。



 もうすぐ勉強三昧の夏休みが、暑さと共にやってくる。



 苦痛だなぁ。




 気晴らしにオシャレしてみたいかも。




 羨ましくて憎いけど、今度舞子にアドバイスしてもらおうかな。




 受験のために肩の上で揺れるようになった髪の毛、短い髪の毛は昔から好きじゃない。




 羨ましくて憎いけど、いつも身近にいる舞子の影響かな。




 そういえば、



 サッカー部の3年は夏休みの引退試合で引退だったはず。



 ちらほら流れ出す噂によれば、引退試合もなしに廃部になるとか、ならないとか。



 ホントに可哀想なサッカー部。




 限りある貴重な試合すらできないのか。




[弱小だから]




 他に事情がありそうなそんな気もするが、わざわざそれを知ろうとは思わなかった。





 どうせなら部員の減る、3年引退後に廃部にすれば良いのに。




「こら、桜井。早くクジを引きなさい」




 どうせなら心機一転の新学期、夏休み明けに席替えもすれば良いのに。




 眠たい瞳をこじ開けて、あたしは席を立ち上がった。