「なあ桜井、俺らまた隣になったら運命じゃね?」
あたし達の間に入ってきたのは、やっぱり鈴木だった。
溢れさせる鈴木の笑みには、怪しいニヤつきが含蓄しているから、いい加減嫌気が差してきた。
運命とか、そんな身近に落ちてるわけない。
軽々しいところにも嫌気が差してくる。
3年になって鈴木と同じクラスになった。
桜井の“さ”
鈴木の“す”
男女男女男女男女
そう並ぶ席の中で、1学期最初の席が鈴木の隣だった。
同じクラスになるまで、
正確には、
席替えをして
3回連続あたしの隣席に鈴木が座るまでは、
よく鈴木の存在を知らなかった。
それに“サッカー部”だし?
……っていうのは冗談で。
あたしの表情は、自然と硬さを増していく。
もう次ぎ来る状況を察したからだ。
