『成瀬先輩?でしたっけ?
ありがとうございました!
いやー再会しても、助けてもらうとは~
ホント、先輩にはお世話になりまくりっスねー』
『あの状態の岬は捕まると面倒だからな…
まぁ、でも、その場しのぎにしか成らないとは思うけどね…』
『部活で多分…しわ寄せが来ますね…ハハ…』
と、私は渇いた笑い声を漏らす。
すると…
『取り敢えず、岬には教室向かったら釘刺しとくから』
『へ?』
意味が分からず、アホみたいな声が出る。
『だー!かー!らっ!
岬に蘭ちゃん?だよね?』
『はい!そうっス!』
と、私は笑顔で答える。
あんな一瞬で覚えてくれて嬉しい。
『蘭ちゃんいじめんなって釘刺すに決まってるでしょ?』
『え、良いんですか!?
ありがとうございまっス!』
と、私は笑顔に成る。
案外釘を刺されると岬先輩は弱いので、部活も安心して出来そうだ。
『あ、じゃあ、下駄箱違うからさ、又ね』

『今日は、
何かありがとうございました!
又会ったときは、
宜しくお願いしまっス!』

と、私は言ってから気付く。
(前も言った事言っちゃった…
でも…


こう言ったら今日みたいに、又会える気がするんっスよ…
成瀬先輩)


私は思い出の先輩を後にして、笑顔で教室へと向かう。
なんだか、今日は…

(どんなに嫌な事があっても平気な気がする…)

青空に架かる虹に向かって、私はそう思うのだった…