「何が」俺の心を動かしたのか。
そんなことはわからない。
でも、こいつは俺を「必要」だと言った。
「俺だったら」と言った。
そんな小さな、小さなことが、俺にとっては、とても大きなことのように感じてしまったんだ。
それとなぜかこの女を、自分と近い存在のように思った。
真逆だと思ったのに。
真逆のように見えるのに。
なぜか、俺と“似ている”ような感じがした。
…………誰かに「必要」とされるうちは、まだ生きてやってもいいかな
なんて
そんなことを、思ったんだ。
「やったぁ!ね!じゃあ今からお礼に、私の秘密基地に連れてってあげる!」
女は嬉しそうに、俺に笑顔を見せてそう言った。
その笑顔を、なぜかとても、綺麗だと思った。
けがれのない、美しい笑顔だったんだ。
俺はこの日、初めて会った見知らぬ彼女に、拾われた。

