「ごはんごはん♪」 朝の8時。 紗良に続いて洗面台へ行くと、俺用に新しいタオルや歯ブラシ、歯磨き粉まで用意されてあった。 優子さんだろう。 「…………なんか、悪いな。」 「え、何が?」 「こんな、良くしてもらって」 「えー、普通だよ!家族になったんだから、あたりまえでしょ!」 そうサラッと言ってしまう彼女は、また俺に微笑みかける。 …………“家族”か。 こんなにも、居心地のいいものだったっけな。