許されたなんて思っていない。
これからも、許されるなんて思わない。
だけど…………
「レイくんは、自由に生きていいのよ」
そう言ってくれる人がいるだけで、こんなにも
罪と後悔に強く、きつく、締め付けられていた心を……
少しくらい、解き放っていいのだと
思えたんだ。
誰かに、“間違っていない”と背中を押されることが
俺のひとつの、願いでもあったのか。
俺の気持ちに共感してくれる人がいることが、
こんなにもあたたかくて、安心できるなんて……。
父さん、母さん……ごめんなさい。
傷つけて、ごめんなさい。
…………でも、俺だって苦しかった。
俺のことも、考えてほしかった。
もっと、“家族”を大事にしてほしかった。
家族みんなで、笑い合いたかった。
ただ、それだけだったんだ……。
でも俺は、それをちゃんとした形で伝えられなかった。
そしてこんな俺は、それでも誰かに受け入れて欲しかった。
俺は俺自身を、受け入れてなんかなかったのに。
他人に受け入れて欲しいなんて、おこがましい考えだ。
俺は弱い。
弱い。
弱い。
……強く、なりたい。

