「こうやって、寝てる間に首絞めたら、どうするの?」


「………………」




紗良の首を、片手で掴む。


そしてギリッと、少し力を加えてみた。


怖がらせなければ。


紗良はなんでこんな俺のことを、信用できんだ。















「怖くないよ」











紗良の口から出た言葉。


そしてにこっと、優しく笑った。




「なんでだよ?」


「レイは、意味もなく人を殺めたりしないよ。レイは優しくて、思いやりのある人だから。」


「…………っんなわけないだろ!!」




思わず、掴んでいた紗良の首に、強い力を加えてしまった。




「…………!!……あ……ごめ…………」




パッと手を離し、俺は視線を下にやる。




「ほらね。レイは、そんなことしないよ。怖いことなんてしない。でももし、レイが本気で私を殺そうと思うなら…………私は受け入れるから。」




紗良からの突然の言葉に、俺は困惑を隠せなかった。




「……は、なんで?」


「…………なんでだろうね。」




一瞬の沈黙と、それに続いての紗良の笑み。


俺には意味が、理解できなかった。