いつの間にか布団が敷き終わって、紗良の呼びかけに視線をそちらにやると、なぜか床に布団が2つ敷かれていた。
「あの、なんで2つ……?」
「え、一緒に寝ようと思って!」
「さすがにこれ以上はもうダメな領域だって!!」
俺はいつの間にか、紗良のペースに巻き込まれていく。
……いや、出会った頃からか。
でもさすがに、「一緒に寝る」のはダメだろ!!
「……紗良、ちゃんとベッドで寝ろよ。」
「なんでぇ!?話しながら寝る方が楽しいじゃん!」
「ベッドからでも全然話せる距離……」
「なんか壁があるみたいじゃない!!お話する時は、より近くの方がいいでしょ!」
「…………」
なんでこんな積極的なんだ……
女ってもっと警戒するもんじゃねぇの?
特に紗良みたいなワケありな感じのやつは、俺みたいな奴、普通怖がる立場じゃねぇの?
「……ねぇ」
「なぁに?」
「俺のこと、怖くないの?」
「え、なんで!?怖くないよ!」
「もっと警戒心持ちなよ」
「レイに警戒心持つなんて変でしょ?」
「俺ら、初対面だろ?何かあったらどーするつもりだよ」
「何もないよ!」
「…………もし俺が、紗良を殺そうとしたら?」
「………………?」
俺の質問で、少しの沈黙が続いた。
そして俺は、紗良の首に、手を伸ばす。

