「紹介するね!私のお父さん!そして、今日から家族の一員になった、レイくん!」
午後6時。
紗良の父親が帰ってきた早々、紗良は俺を父親に会わせた。
絶対に、どう見てもおかしな状況だ。
父親だって、受け入れるはずがない。
だいたい、俺が“家族の一員”ってなんでだ……。
いつの間にそんなことに……。
「おお!紗良のお友達か!見た感じ、ワケありってとこかな?まぁまぁ!紗良が認めた人だ!もっと肩の力を抜いて、気なんか遣わずに自由にしなさい!今日からよろしくな!」
ニカッと歯を見せて笑みを向ける紗良の父親。
俺はその顔を見て、疑問しか浮かばなかった。
な、なんなんだここの家族は……。
俺のこと、率直に受け入れすぎだろ……。
もっと疑うこととかしないのか……?
なんでそんなに、フレンドリーに接してくれるんだよ?
理解できねぇ……。
いや、この家に転がり込んだ俺が言えることじゃないが……。

