「…………ありがとう」




少し震えた声で、俺はそう言った。


泣きそうだった。


嬉しかった。


こんな俺を受け入れてくれたことが。


こんな俺を、「間違ってない」と言ってくれたことが。


ずっと、欲しかったんだ。


その言葉が。


嘘でもいいから、誰かにそう言ってほしかった。


少しでも、安心したかった。


家族を殺したくせに、俺は…………どこかで救われたかったんだ。