そう思って、俺は死のうとした。
あの日、あのビルから飛び降りて。
俺がいなくなっても、誰も悲しまない。
俺がいなくなっても、この世界が大きく変わるわけじゃない。
だって、誰も俺を必要としてないのだから。
「それで俺はあの日、あそこにいたんだ。……でも結局、まだ俺は生きてるわけだけど……」
自分の話を終え、紗良がどんな顔をしているのか、恐る恐る見てみた。
きっと、「出ていけ」って、青ざめた顔をして言うに違いない。
だいたい、俺はここにいるべきじゃないんだ。
追い出されて当然なんだよ。
だから、紗良もきっと…………

