「人殺し」
「消えちゃえばいいのに」
「死神」
「邪魔者」
「お前が死ね」
「近づくな」
それは、夫婦の娘たちから浴びせられる言葉。
すれ違いざまに、ボソッと耳元で囁かれるようになった。
終いには、こう告げられた。
「ねぇ、あんたがここに来た理由知ってる?あんたの親の遺産目当てで受け入れられただけだよ。笑える。」
俺は、その言葉が真実なのか、恐る恐ると引き取ってくれたおばさんに聞くことにした。
「俺の親の遺産目当てで引き取った……って聞いたんですけど、本当ですか。」
ぐっと握りしめる拳には、汗がにじみ出る。
「ああ、聞いたの」
冷ややかなおばさんの声。
それから、嘘のような話が放たれることになる。

