膝から倒れ込んだ父親に、俺は何度も何度も、包丁を振りかざした。 「うああああああぁぁぁぁぁッッ!!!!!」 返り血を浴びながらも、包丁を振り下ろす手を止めなかった。 雄叫びをあげるように叫びながら、何度も、何度も、俺は自分の父親を刺し続けた。 “母親を守るため” そう、“母さんを守るため”…………。 でも、きっとそれだけが理由じゃなかった。 たぶん、どこかで思ってたんだ。 “父さんがいなかったら” って。