父親は、手に持った一升瓶を、母さんの頭の上に振り上げた。


それを見た瞬間、俺の身体はとっさに動いていた。


もう、見ているだけではダメだと思った。


“母さんが殺される”


そう、頭によぎったんだ。


俺は迷いなく、キッチンに置いてあった包丁を手に持ち、後ろから…………父親を刺した。