それしかない…………か。




「自分で、「逃げてる」って思わねぇの?嫌なことから目をそむけて逃げてる自分に、嫌気がさしたりとかしねぇの?ずっと逃げられると、思ってんの?」




俺の口からは、息を吐くようにそんな言葉が放たれていた。


紗良の気持ちを何も考えない、最悪な質問。


俺は言葉を放ったあとに、ハッと我に返った。


自分の言ったことが最悪すぎて


「ごめん。」


その言葉さえも、言えなかった。