俺は、誰にも必要とされていない。
家の人たちにも。
社会にも。
世界にも。
俺は、邪魔者な死神。
こんな俺なんか居なくたって、誰も、何も、困らない。
世界が変わるわけじゃない。
むしろ俺は、きっと居ない方がいい。
だから、消えればいいんだと思う。
それなら誰も迷惑しないし、みんなの望み通りだし、その方が全てが丸くおさまる。
俺も、楽になれる。
孤独な自分を味わう毎日から抜け出せる。
だから、今日、俺は死ぬ。
高いビルの屋上から見下ろす街は、とても小さく見えた。
小さいながらも活気が溢れていて、人々が動く影がとてもうるさい。
でもそれがみんなの世界で、俺がいる世界とは別世界のように見えた。
俺は、“独り”。
暗い闇の底で、ひとりぼっちだ。

