全て話した後に、私はずっと疑問に思っていたことを吐き出した。


「‥お母さんがそんなに溺れちゃう‥セックスって‥そんなにいいものなの‥?


‥それって私のこと忘れちゃうくらいに‥いいものなの‥‥?」





すると、いきなり私の背中をさすってくれていた手が止まった。





「‥じゃあ、さ‥


‥試してみる?‥セックスがそんなにいいものかどうか‥」


「‥え‥‥?」


「なんて『する‥!』


「‥え?瑠美本気で言ってんの?」


「‥うん‥だって‥

そんなにいいものだから‥きっとお母さんは私のことも忘れちゃうんでしょ‥?

‥なら‥


‥きっと私のこの気持ちも忘れさせてくれるでしょ‥?」



「‥ごめん‥俺こんなこと言ったらダメだったな‥

瑠美はさやっぱりちゃんとお互い好きな人とそういうことはするべきだよ」


「‥でも‥私は‥」











‥久野くんが好きだよ‥









‥喉まで出かかった言葉を必死に飲み込む‥。





こんな言葉が自分自身から自然に出てきたことに誰よりも驚いた。












‥私‥久野くんのこと好きなんだ‥





自分の感情をこんな状態で認めることになるとは思ってもいなかった。






改めて好きだと認識しちゃうと余計に涙が出てきて、自分がもうなんで泣いてるのかも分からなくなる‥






苦しい、悲しい、切ない、愛しい‥‥








‥いろんな感情が混ざり合って、1つになりそうで1つにはなってくれなくて‥











「‥‥苦しい‥よ‥もうなんか‥苦しい‥」




「‥‥瑠美‥?」




「‥久野くん‥‥シて‥?」



‥私を久野くんのモノにして‥‥?













「‥‥1回始めたら‥もう止められねえぞ‥‥?



‥やめるなら今しかないからな‥?」




「‥‥‥うん‥‥やめなくていいよ‥」





「‥‥お前アホか‥‥‥



後悔しても知らねえからな‥?」



「‥うん」














この頃の私たちはまだ幼くて、目の前のことに必死すぎたんだ‥





‥自分の存在価値を確かめたかったんだ‥