「はぁ?」なんてナンパ男は久野くんを睨んだが、


180センチ近くもあるのにプラスして、すごい剣幕の久野くんを見たからか、男は怯んだように見えた。

「‥あ〜もうなんかシラけたし?まあ今日は帰るわ」


なんて口々に言って、私は解放された。


さっきまでの不安が一気に吹き飛んで、私はその場にまたしゃがみ込んでしまった。

というか腰が抜けたの方が近い。


「お前大丈夫かよ!?てかこんなとこで何してんだよ!」

「‥久野くん‥ありがとう‥

もう無理かと思った‥」

気づいたら泣き出しながらそう言ってた。

すると、久野くんは私と同じ目線になるようにしゃがみ込んで、

私のことを包み込むように抱きしめた。


‥え、待って‥

何が起きているのか頭がついていかずフリーズしてしまう。

「‥お前やっぱり危なっかしいし、見てて守ってやりたくなる‥」

真剣なトーンで言うから余計鼓動が早くなる。

「‥く‥久野くん‥」

そういうと、久野くんは私の顔に手を当てて、

親指で涙を拭いてくれた。





‥どれくらいの時間そのままだったんだろう‥

その間泣いてる私とそれを抱きしめる久野くんは完全に繁華街の中で見世物状態だったけど、



そんなことが気にならないくらい、私には、久野くん1人しか見えなかった。




「‥そろそろどっか場所変える?」


「‥う、うん‥」





‥そういって私たちが着いた場所は













‥ラブホ街の一角にあるラブホテルの一室であった‥