気づけば5月に入っていて、明日からゴールデンウィークという金曜日になっていた。

「なあ瑠美!せっかく明日から休みだしどっか出かけようよ!」

そう声をかけてくれたのはりゅうちゃん。

「うん!どっか遊びに行きたい!近場でもいいし、遠出でも!」

「よっしゃ!じゃあ行きたい場所考えとい『じゃあな瑠美ー』

そう言って片手をひらひらさせながら自転車で横を通り過ぎていくのは久野くん。

「バイバーイ久野くん!

ごめん!で、なんだっけ?」

「‥あー‥行きたいとこ考えといて!

‥てかさー‥やっぱあの久野?ってやつ、俺らの学年の女子にも何人か手だしてるって話だし

‥あんま仲良くしすぎても、、」

「まーたそう言うこと言う〜!りゅうちゃんいつからそんな噂で人のこと悪く言うようになったの?」

少し怒りながらそう言った。

「あーっ‥ごめん!いやそうじゃなくてー‥

瑠美が手出されたりしたら‥嫌なんだよ‥」

今までに見たこと無いくらいの苦しいそうな顔をしてるりゅうちゃんを見たら責めるに責められなくなった。

「‥ううん‥でもほんとに大丈夫だから!

てか久野くん噂で遊び人って確かに言われてるけど、話してるとそうでもないし!」

「‥う、うん‥瑠美はさ、好きになっちゃったりしない?久野のこと‥」

いきなりの不意打ちで一瞬ドキッとした。

「‥な‥ならないよ‥っ‥友達だし!」

そう言うと、りゅうちゃんは途端に顔を輝かせて、

「だよな!俺が心配しすぎたんだわ!」といつもの調子で言った。