「あの、毎日毎日膨大な仕事量を振られて合間合間に違う件で呼び出され、常に時間との戦いなんです。とてもじゃないですけど私にはそんな余裕ありません。本当にそんなんじゃないです」
え、なに…?
真面目に言ったのにニヤニヤされてる。
「深山さんはその気なくてもあっちがね〜深山さんをみる目が凄く優しいの」
「本当に変わったのよ?表情がね?ね?」
勝手に盛り上がってる…
どうしよう…仕事したいけど…
「あの副社長を笑顔に出来るのもヤキモチ焼かせるのも深山さんしか居ないって事」
「深山さん美人だし仕事出来るし、惚れてしまうのもわかるよね〜」
「陰ながら応援してるから」
「いや、ちょ、ちょっと待ってください…!誤解してます、」
その時運悪く副社長からの内線が鳴る。
ほらほら〜ってな感じでニヤニヤしっぱなしな先輩方にタジタジな私。
「はい、深山です。わかりました、お持ちします」
挨拶文をプリントアウトし持って行く際も「応援してるから」と勝手にそういう事にされていて笑顔も引きつる。
「遅い、どうした?」
「すみません」
渡した書面を確認しながら上の空な私の顔を覗き込む副社長。
わっ……とと。
「何かあった?」
まだ少数派ですが噂が立ち始めてます。
私と…副社長の。
デキてるんじゃないかと……
ですから、今後は私に対する態度を改めてください。
その…皆の前で違う呼び方をしたり…チラチラ見たり……

