「大丈夫だよ、役員専用の駐車場だしこんな朝早く誰も来てねぇよ」
「……ですよね」
「まぁ俺は別に誰に見られようが構わないけど」
その時は堂々と俺の女だ宣言したいけど絶対怒られるだろうから言わない事にした。
辞められるのが一番堪える。
「変な噂でも立ったら私がやり辛いです。けど今回は私がやった事なんで…反省してます、すみませんでした」
「まぁ、いいんじゃない?俺は嬉しかったよ?それは秘書としてやってくれてんだとしても…お前がしてくれるのは全部嬉しい」
「そ、そうですか……」
「今まで通りでいいんじゃね?堂々としてろよ」
「今まで通りだと目に余るものがあります」
「それはつまり……ハグとか?キスとか?」
「キスはしてませんっ…!!」
「あれ?してなかったっけ?」
「してませんっ!だからそういう類いを言ってるんです」
すぐムキになるからついからかいたくなる。
言っとくけどお前がそうさせてんだからな?
「え〜、そこはさぁ、俺を上手く育ててよ」
「育てる…!?とは!?」
「ちゃんとお前が阻止したら良い。その時は何やってんだもっと働け!ってケツ叩いてよ」
「やる前提で言ってます?」
「上手く育てて、上手くコントロールするのも秘書の役目なんじゃない?なんてな、荷が重過ぎだよな?冗談だよ、冗談」
急に黙り込むから「真に受けんな」と頭を撫でた。
ちょうど会社に着いて車を停める。