起きたら居なくて急に現実に戻された気がした。
声だけでも聞きたくて…携帯を鳴らす。
でも声聞いたらやっぱり…会いたくなるよな。



俺は嘘つくのが嫌だから何度でも言ってやるよ。
頭の中いっぱいになるまで止めねぇから。




こんなに長い夜はなかったくらい、夜中に何度も目が覚めるほど紗和が恋しかった。
翌朝、何とか体調が回復した俺はシャワーから出た時に丁度インターフォンが鳴り響いた。



何も考えずに出たら真っ赤になりながら目を逸らす紗和。



「おはようございます……服着てください」



下はスウェット、上は裸でバスタオル肩にかけてる状態。
俺にとってはこれが普通なんだけど?



「入って」



「失礼しま…す」



目を合わせないように入ったりして可愛い。
髪を拭きながら立ってると、目のやり場に困ったのかずっと背を向けたまま。
後ろからでも耳まで赤くなってるのわかるけどな。



アップにしてるヘアスタイル。
うなじが綺麗で後れ毛がセクシーなんだいつも。
これが紗和の秘書スタイルなのかな?
バレないように近付こうとしたら、携帯が鳴る。



ビクッとしながら携帯を見てまたビクッとしてるから笑った。



「あっ、ALL ASSISTからなんで静かに!声出さないでくださいね?」と俺に念を押してくる。
こんな早朝に電話してくるなんてまた紗和に代行依頼してきてんじゃねぇだろうな?
そっと近付き耳を澄ます。