代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉




薬を飲ませて足早に片付けた。
部屋に戻るとウトウトと眠りにつく姿を見て帰り支度をする。



「紗和…」



呼ばれて振り返ったらそれはうわ言だったみたいで肩まで布団をかぶせた。
翌朝迎えに来ますとメモを残しそっと部屋を出る。



まだバスがある時間帯。
報告メールは帰ってからにしよう。
コンビニに寄ってレジに並んでいると携帯が鳴る。
見たら副社長からで慌てて出た。



__はい、深山です…!



一旦列から出て静かな場所へ移る。
すぐに声が聞こえなかったから慌てて名前を呼んだ。



__副社長っ!?大丈夫ですか?



瞬時に最悪のケースが脳裏を過る。
カゴに入れていた缶チューハイを元の陳列棚へ戻そうとした時。



__何で帰ってんだよ……起きたら居ないから捜しまくっただろ



今にも泣きそうな声で胸がキュン…!と締め付けられる。



__メモ書きましたけど



__今見た……紗和のバカ



__すみません、熟睡してたんで起こさず出てしまいました



__秘書みたいに言うな



__いや、秘書ですから



__もう勤務時間は終わってんぞ?




リアクションに困る………
黙っていたらクスクス笑う声が聞こえてきた。



__お前、今コンビニだろ?酒か?




戻そうと止まっていた手がまたカゴに缶チューハイを入れる。
大丈夫そうだとホッとして通話しながら再びレジに並ぶ。



__当たり…です




レジが終わるまで笑うもんだから笑い過ぎだと言いつつ恥ずかしさが勝つ。
コンビニを出て静かになると副社長も急に黙り込んだ。