ソファーに腰を降ろしたらすぐに額に手を当てられた。



「熱あるじゃん……」



ボーッと見つめる先に愛しい顔。
行こうとする手を握って抱き寄せた。



「紗和……やっと会えた」



もう少し抱きしめたかったのにグイッと離れて寝かされる。
掛け違えてたボタンを直す手。



「そんな理由で慌てて来たの?」



歪んだ視界の中で探すのは紗和だけ。
気力だけで会話してる。



「お前が他の野郎と接してるだけで嫌なんだよ……わかれよ、そういうの」



「今度からは体調不良なら自宅までお迎えに参ります。そんな体で運転しないでください」



はい……わかりました………



冷たい枕と冷たいタオルが触れた後、また記憶が途絶え意識を手放した。