ハハハと笑う副社長よりも大きな声でいかついラーメン屋店主が笑った。
「姉ちゃん最高じゃねぇか、こういうお客さんに食べてもらえると嬉しいね〜」と顔を覗かせる。
「ありがとうございます、すっごく美味しいです」
また大きな声で笑いながら今度は餃子が出てきた。
「これはサービスね!デート中だからニンニクは抜いといたよ!食べて食べて!」
「わぁ、ありがとうございます!」
隣の副社長もニッコリ笑ってる。
お互い一口食べて「ん〜!美味しい〜!」とハイタッチ。
「紗和、結構食べるのに細いのな?」
店を出た後、手を繋いで歩きながら言われる。
「そう?でも食べた分、体動かしてるから。ジムで汗流して筋力は衰えないようにしてるかな?」
「え、ジム行ってんの?どこの?」
「えっと……って言う訳ないでしょ」
「何でだよ」
「絶対来るもん、言わない」
「何でわかるんだよ、俺だってジム行って鍛えてんだぞ?」
「わかる……さっき腕組んだ時にわかった」
「腹筋なんてもっとだかんな?見る?」
「いや、いい」
「何でだよ…そこは男が一番自慢したいとこだろ」
いや、こんな街中で腹筋見せたりしてたらヤバイでしょ。
口尖らせて拗ねちゃってるよ……子供か。
「わかった、じゃあ触る」
「え?」って嬉しそう。
立ち止まって触るとめっちゃ固い。
正直、想像以上で両手で触ってしまった。

