片想い…?両想い…?を繰り返してまたひとつ季節が終わっていく。



響也も代表取締役に就任する事がほぼ決定し、またこのALL ASSISTへ足を運んで来た。



「深山紗和にプロポーズしたいので盛大なサプライズを演出してほしい」



よくぞ言った。
とうとうお前も行動を起こす時がきたんだな。
もうあれから2年経ったのか。
お前、すげぇよ。
俺なら耐える自信ない。



2週間で音を上げているのに、会えない間…どんなに辛かっただろうって震える。
相手を想う気持ちがあいつを奮い立たせていたんだ。
あいつの気持ちは本物だから、紗和ちゃんもちゃんと応えてあげて欲しい。



俺も、一世一代の賭けに出るからよ。



もう乃亜さん以外考えられないんだ。
誰にも渡したくないから今度こそ俺は本物になってみせる。
OKしてくれるまで引き下がらないって決めてんだ。



また月日が流れ乃亜さんの誕生日を迎える。
今日こそは絶対に連絡先ゲットするし、キス上手くなったって言わせる。
何が何でも譲れない日なんだ。




仕事を早く終わらせるつもりがちょっとしたミスが発覚し、そのフォローに追われていた。



わざわざこの日に合わせて取りに行く予定にしてたのに。
勿論、サプライズだからマンション前で待ち伏せして驚かせるつもりだった。
あ、ちょっと前からやってる送迎をしていた時にやっと住んでるマンションを教えてくれたという訳。



「本日納車の堀越です」



「お待ちしておりました」



本当は2人で取りに来る予定だった。
思いきり驚く顔が見たくて…こんな事しか思い浮かばなくてごめん。
でも俺なりの本気だから受け取って欲しい。