「え、あっ……ちょっと…!」
乃亜さんの言葉にスタッフの閉める手が止まる事くらい想像がつくけど、余裕のない俺はもうただの野獣だ。
軽々と持ち上げデスクに乃亜さんを座らせたら唇を奪う。
抵抗なんてさせるかよ。
頭を持って逃がせない。
下手なんか言わせない。
バッチリ見られてても構わねぇよ。
そのままデスクに押し倒すくらい激しく絡み合う。
そっと扉が閉まったらより密着して……あと一歩でスカートに手が入るとこだったのにその手を止められた。
唇が離れてもまた重ねる。
もうとっくに限界越えてんだよ…!
「待って…」と頬を包まれる。
荒くなる吐息を整えながら視線が絡む。
「黙って居なくなるなよ……あんまりだ」
俺の事、何だと思ってんだよ。
「2週間だったら我慢出来るんでしょ?」
ほら、平気でそんな事を言う。
悔しさの怒りと惚れてる気持ちが入り混じってどうにかなりそうだ。
「んな訳ないだろ…!試すような事するなよ…!限界だ…!」
また重ねようとした唇を間一髪で止めてくる手。
また俺を惑わす視線。
「限界越えてどうなった?」
わかりきった事聞くなよ。
止めてた手を離す。
顔を近付けたらまた制止。
「頭おかしくなりそうだった?」
お願いだから黙って…?
それどころじゃない。
その見上げる瞳もミニスカートからのぞく細い足も綺麗なデコルテも全部欲しい…!
「今…悪い事考えてる?もしかして…余裕ないの?」
プツッと何かが切れた。
「あぁ、そうだよ!余裕なんてないよ!」
ネクタイを引き寄せられキスする寸前で止まる。
こんな俺とは正反対で余裕のある素振りはいつに増して色っぽい。
完全に支配されてる俺。

