幼稚園からの腐れ縁な幼馴染みの日高響也は今でも俺の良きパートナーだ。



最近やたら響也の機嫌が良い。
付き合いが長い分、手に取るようにわかるのも難癖だ。
すぐに女だなとわかった俺は響也の会社で新しい顔を見つけた。



一瞬でわかる。
もろ、響也のタイプだ。
へ〜秘書やらせてんだ?
安易な考えだね〜?
そんなのすぐ奪いたくなっちゃう性格だって見抜いてないのかよ。



すぐに顔に出る2人をからかうのがとにかく面白かった。
一触即発になりながらも響也と張り合うのを楽しんでた。
たまに俺に対しても女の顔で嫌がる姿を見てつい本気で落としたいと思わせられる。



目が合うだけで何人も落としてきた、甘く囁くだけで女は抱けていたこの俺に「興味がない」と言ってのけた女。



深山 紗和。



響也を見る目が完全に違うからついからかいたくなる。
ぶち壊したくなる。
ついでにのぼせてる響也も目を覚まさせてやろうか。



ほんの少しからかうつもりだった。
確かに綺麗な顔立ちで時折色っぽい。
本気で嫌がる勝ち気な瞳はちょっとゾクゾクした。
本当に興味がわいてきた矢先。



俺らの前で突然倒れた深山紗和。
取り乱す響也を宥めながら救急搬送した時の事。
響也が電話で呼び寄せ病室に駆けつけた人。



見た瞬間から一気に心奪われていた。



何なんだ……?
この色気ダダ漏れな女性は……?
わ、近付いてきても綺麗さに目も奪われる。



深山……乃亜……



同じく社長さんで、深山紗和の姉!?