「ちょっと待って……ここで?皆見てるよ」
副社長にだけ聞こえる声で言ったけどやっぱりお構いなしなのよね。
そうそう、こういう人だった。
逃げられないよう頬に手を添えて……
「こんだけ待ったんだ、もう焦らすなよ…」
ゆっくり重なる唇。
伝わる体温が思い出させてくれる。
忘れていた訳じゃない。
この感触が徐々に二人を熱くする……
角度を変えて……私も手を添えて……
抱きかかえられクルクル回る。
笑い合いながらまた私から見降ろすあなたにキスをした。
「あっ!?」
急に叫んだ私に会場がシーンとなる。
「新郎新婦!待たせてるんでしょ?」
スタッフに急いで確認するもその手を副社長が止めた。
え、何なの……?
大丈夫ってどういう事!?
何が大丈夫なの?
まるで現状がわかっていない私に最強のドヤ顔で副社長はこう言うの。
「今日ここで挙式を挙げる日本人カップルって、俺らだから」
3秒間フリーズ………
「はっ!?」
「俺が依頼したんだ。お姉さんにね」
「ちょっと待って……整理させて」
頭を抱える私にケラケラ笑うALL ASSISTのスタッフ達。
今までの密な打ち合わせも全部仕組まれていたって事!?
副社長がプロポーズしたいから盛大なサプライズを用意してもらいたいって依頼しただって………!?
「あ、ちなみに俺、もう副社長じゃないから」
「えっ!?」

