「紗和さんの事好きになってしまいました…!紗和さんとの交際を許してください…!」



その場で頭を下げていた。
おそらく、全身全霊で叫んだから事務所全体に響き渡っていただろう。




「え、やめてください…頭上げて?」



突然の事態に動揺させてしまってる。
でも俺の本気が伝わらなきゃ意味ないから。




「とうとうそうなってしまったんですね〜予想はしていましたけど…だって最初から紗和しか見てなかったしわかってて契約結ばせた私にも責任はあります」



「ごめんなさい…何度も念押しされてたのに…守れなくて」



「そういうものよ、恋愛なんて。恋愛するな、とは言わないけどあちこちでスタッフが恋愛してたら商売成り立たないよね〜?まさかその第一号が妹になるとは…」



いや、紗和は悪くない。



「すみません!僕が強引過ぎました、勝手に一目惚れしてしつこくアプローチしてしまいました」



「押しに弱いんですよ〜紗和は。もう少し上手く交わせるかと思ってたんですけどね〜秘書なら尚更」



「ごめんなさい……」



「紗和も同じ気持ちなんでしょ?秘書である自分とそうでない自分が共存しちゃってんだよね?」




「はい……」




「でも公私混同して、それでプロの仕事って言える?好きになったのは仕方ない、止められないのもわかる。けど規律は乱してはいけない。プロである以上クライアントへの恋愛感情は御法度だと言ったはずよ?」



「はい……」