資料室に入ると、奥の方で分厚いファイルを何冊かパラパラとめくっている彼女の姿が。
場所からして、おそらく来週に控えた会議に出席する会社の過去の議事録等を復習しているのか。



「何をしている?」



少し離れた斜め後ろから声をかけたら、二段脚立に乗っていた彼女はビクッとして後ろを振り返った。



何度目が合っても胸の奥がキュ……ンと締め付けられる。
いくらでも眺めていられるな。
びっくりさせてしまって申し訳ないが、タイトスカートから見える細い足に唾を飲む俺はつい目を逸らす。



「すみません、議事録をスクショしていました。もう戻ります!」



慌てて資料を直す彼女がバランスを崩してしまうのは目に見えていた。
すぐに駆け寄り体を支えたものの、棚にぶつけた為に上から何冊か落ちてきそうになった。
とっさにその資料を両手で押さえ頭上に落ちる事は回避………



が、しかし………



必死に資料を押さえる俺と棚の間に彼女が挟まっていて………


ゆっくり見下ろすと、触れてしまいそうなほど顔が近い。
また、こんなシチュエーション……
でも今回は彼女が俺を見上げてる……
近過ぎる上目遣い……



「あ……っ」と離れる体。
思わず背を向けてしまう。
棚に手をかけ「ヒールで脚立はないだろ…」と言ったら小さく「すみません」と返ってきた。


「スクショってスクリーンショット?」



「はい」



「携帯で撮ってたようには見えなかったけど?」