怒涛の5日間だった。



急に決まったシンガポール出張。
このまま紗和を日本に残したら悪い虫がつきそうで気が気でないが、後ろ髪を引かれる思いで日本を発った。



いざ離れてみたら不安で仕方ない。
あいつ……自覚症状ないから、今でも誰かに口説かれてんじゃねぇかって負の連鎖が俺を襲う。
テレビ電話じゃ満足出来ねぇんだよ。



声聴いて…いつもの笑顔見せられたら…この俺が我慢出来ると思うか?
お前に関してなら俺は中学生以下の男になる。
欲しくて欲しくてたまらなくなるんだ。



だから内緒で早めに切り上げた。
びっくりした顔が見たくて…
ていうか会いたくて…触れたくて……
俺が耐えられなかったんだよ。



電話で呼び寄せ5日ぶりに会えた時にはもう止められなかった。
触れたらもう終わり。
泣くなよ……余計止まらなくなる。
潤んだ目で見上げられたら完全に負けだよ。



互いの体温が徐々に溶けていく。
胸いっぱいにお前を感じて夢のような夜を過ごした。
やっと……やっと……ひとつになれたんだ俺達。



いちいち可愛いんだよ。
一線を越えたら……何かとエロく感じてしまう。
やべぇ……片時も離れたくない。



なのに俺を試すような事しやがって。
腸煮えくり返ってどうにかなりそうだった。
マジでやめろよ、他の男に笑いかけてんじゃねぇ。



俺がどんな思いして仕事片付けて帰って来たと思ってんだよ。
これじゃご褒美じゃなくて罰ゲームじゃねぇか。