「どうやったら伝わる?」
「だから待ってってば…!」
その時廊下側に誰かの気配が感じた。
見ると、そこには見ちゃいけないものを見たような表情で立っていた先輩方達。
「いや、違います…!これ、違いますから…!」
思わず大きな声が出てしまった。
ダメだ、完全に誤解してる。
「失礼しました〜」なんて言いながら去って行ってしまった。
どこから聞いていたのかわからないけど、今までの会話……
なんか、私が言われてるみたいに聞こえちゃうじゃない…!!
腕なんか掴まれちゃってるし!
めちゃくちゃ誤解されやすい状況じゃん…!
油断してた。
「あっ!お前らこんな場所で何やってんだ!?」
そこでめちゃくちゃ悪いタイミングで入って来た副社長。
「離して…」
いつまで経っても掴まれたままの腕を解いてまた今にも沸騰しそうな副社長に弁解する。
何で私が必死にこの状況を説明しなきゃならんのだ?
「圭介…またよくもぬけぬけと」
「副社長、だから違うんです」
「こいつに指一本触れんじゃねぇ!」
「別にいいじゃんか」
「俺のだって何回言えばわかんだよ」
耳に指入れて話を聞こうとしないふりする堀越社長。
これ以上ヒートアップしないように副社長の腕を掴む。
「本当に何もないから…」
信じろ〜!と念を送るように見つめる。
これ以上、事を大きくしないで。
そして堀越社長にも念を送る。
さぁ、あなたからも説明しなさい…!

