ネクタイを引っ張り不意打ちのキス。
会社で、しかも私からだから驚きを隠せない様子。
私だってする時はするんですよ…?なんて。
「やきもち妬いてくれてたんなら嬉しいかな…」
「妬きまくりだよ……二度とすんじゃねぇ……もしまたしたら次は皆の前で堂々とキスしてやる」
「う……それは困る」
「じゃあこんな事すんじゃねぇよ」
「え〜、だって困るけど……」
見上げる瞳で私が言おうとしてる事読み取ってくれるかな?
なんて、無理めなお願い。
「困るけど…何だよ」
手を取り指を絡ませたらスイッチ入ってくれる…?
その手を私の腰に持って来たなら目つきが変わるの…?
「もしも皆の前でキスするなら……どんな風に?」
挑発的な視線で見つめる私を壁側に押し倒し、今にもキスされそうな距離。
人差し指で止めたらどんな顔をする?
「焦らすなよ…」
「焦らすよ……すぐムキになって怒って、こんな独占欲の塊な人そうそう居ないから」
「お前にだけだよ、知ってんだろ」
腰に手を回させて鼻と鼻がくっついて……見つめ合う。
「私だけじゃないと許さないから」
肩に置いた手は首に回って私から唇を重ね合わせた。
ついばむように何度も角度を変えて……怒らせちゃった代わりにキスで謝る。
ヤバ……どうしよう。
急に仕事モードになった副社長にキスしたくなっただけなのがバレるかも。
おねだりなんか恥ずかしくて出来ないから手っ取り早く怒らせた。
私こそ……お子ちゃまだ………

