代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉




会社へ向かう途中に立ち寄ったセレクトショップ。
海外品を多く取り揃えていてほとんどが一点物な為よく買い物に来ていた。
店員さんとも顔見知りで私に見合うコーデを毎回提案してもらっていて助かっている。



「ふーん………」



キョロキョロしながら隣を歩く副社長。
店内に入ると急に手を繋いできてびっくりした私。
「今だけいいだろ?」って…よく来る店だから恥ずかしいんですけど?
初めて男の人と来たし。



空気を読んでか近寄って来ない店員さん。
あれこれ悩んでたら「店ごと買ってやろうか?」って、止めてよ金持ち発言。
無言でチョップしてやったらイチャイチャしてると勘違いさせただけだった。




近寄ってくる顔を拒みながら店員さんの元へ。
いくつかオフィスコーデをセレクトしてもらうと「これ」って即決したのは私ではなく副社長。



ピンクシルキーのラッフルブラウスに黒のタイトスカートは前に大きなボタンをあしらっている。
こっちを選ぶとは意外。



オフホワイトのボウタイブラウスとベージュのタイトスカートを選ぼうとしたけど「じゃあ…こっちで」と副社長の方に素直に従った。
着替えたら耳元でこう囁くの。



「やっぱりこっちで良かったじゃん。白だとキスマーク透けて見えちゃうよ?」



あっ…!と開いた口で見上げる。
全くもって忘れてた…!!
胸元を見る。
良かった、透けてない…よね!?
挙動不審な動きの私を見て笑ってる。