「またおあずけ…?」
顔…覗き込まないでよ。
近いから。
「えぇ!なに!?めっちゃラブラブじゃん」
突然大きな声がしてビクッとした。
声の方向を向くと壁にもたれてこっちを見てる堀越社長の姿が。
ジーッと睨んでる。
「何だ、お前か」
「久しぶりに紗和ちゃん見に来たのにイチャついてんじゃねぇよ」
「うるせぇ」
「あの時の賭け、俺の勝ちだったんだけど?」
あの時の賭けって……式典パーティーの時の事!?
確かに…副社長が先に潰れちゃったんだっけ。
でもあんなの勝負になってなかったよ?
お互い潰れてたんだから。
「悪い、負けたかも知んねぇけどコイツだけは譲れねぇ」
「え…っ?」
グイと手を引かれエレベーターに乗り込む。
滑り込んで堀越社長も乗ってきた。
密室でこの3人はキツいよ……
「全然納得いかねぇんだけど」
「でもまぁ、そういう事だ」
「はっ!?」
そ、そうなるよね………
え、なに?これ説明するの?
ここで!?
「まさか紗和ちゃん、コイツに決めたの?」
「え……」
「嘘だよね?俺にもチャンスあるでしょ?ね?ね?」
「お前、やめろよ」
グイグイ攻めてきて顔が近い。
後ろで副社長が必死に止めている。
「賭けに勝った意味ねぇじゃん、俺だって紗和ちゃんの事本気なんだよ?」
「圭介、いい加減にしろよ…」
止めの言葉も耳に入らないほど。
肩を掴まれ向かい合わせになる。
鋭い目力に吸い込まれそう。

