恋は盲目……となってはいけない。
今まで通りの関係で職務を遂行してもらわなきゃ困る。
社内の噂なんて一瞬で広まるの。
ちょっとした気の緩みが命取りとなる。
エレベーター内、副社長室、2人きりになると急に甘えてくるところは私がセーブしてあげなきゃいけない。
肩を抱くもんならパチン!と払いのける。
ハグしようものなら全力で避ける。
顔が近付けば口を手で隠した。
結構ストレス溜まってるかも。
「節度ある行動をお願いします」
そう言えば返す言葉もないでしょ?
立場をわきまえてください。
職場で求められるのはキツい……
公私混同しないって約束したはずなのに。
一日の終わりには呼び止められて後ろからのハグ。
「もう限界だよ……」
ちょっと意地悪し過ぎたかな…?
でも……自覚はして欲しいな……
あなたは副社長だから。
「ごめん………」
至近距離で目が合って……そのまま唇も重なる。
深くなる前に離れて距離を保つ。
「会社ではダメだって…っ」
言ったでしょ?って…………突き放しても無理だった。
副社長の深いキスにもう溺れてる。
聞き分けのない大人は厄介だ……
爆発した欲望は抵抗力さえ奪ってく。
唇が離れる頃には足腰にきちゃってるから「おっと」と支えてもらうほどだ。
「紗和を感じないと仕事…手につかないんだけど?」
「ウソ……今まで出来てたじゃない」
「紗和も俺が欲しいとか言うから…」
「なっ…!今それ言う!?」

