「じゃあ、もう戻ろ?」
「ダメ」
「え?急ぎの仕事ないんじゃ…?」
あ………不意打ちのキス。
それは狡い……何も言えなくなる。
「急ぎの要件はある」
「え?」
ひょいと抱きかかえられ不敵に笑う。
「え、ちょっと…!なに!?」
そのままソファーに寝かせられ見つめ合う。
目が慣れてきたのか薄暗い中でもはっきり副社長の姿が見えてる。
「まだ足りない」
ったくもう……こっちの意思なんか聞いてくれないんだから。
返事する間もなくキスの続きを味わっている。
押し倒され受けるキスの嵐は腰が砕けるほどの破壊力……
ヤバイ……絶対スイッチ入ってる……
私の全部が欲しいって………
いま!?
え、ちょちょちょちょっと待って!
今日普通の下着だし副社長に見られるとか無理無理無理っ!
しかもこんな場所で!
誰かに知られたらもっとヤバイ…!
どんどん深くなるキスに太刀打ち出来ない。
このままだと私も………
ゆっくり体を上にずらし起き上がる。
唇が離れてもまた重なって熱い体温が伝わってく。
覆いかぶさろうとする体を止めた。
荒くなる互いの吐息、苛立つ瞳。
また強引に重ねる唇を拒む。
「紗和……?」
「これ以上は……ダメ」
悲しそうな副社長の頬に触れて……
「今日はああずけ」
鼻を人差し指でチョンと押す。
まるで餌を取り上げられた子犬のように情けない顔してる。
いつの間にか外されかけていたボタンを留めて仕方なく頬にキス。

