ダメ……まだ欲しい………
両手で副社長の頬を包む。
唇を見て…瞳を見て…また唇に戻る。
背伸びして今度は私からのキス。
角度を変えて何度も絡む……
そして自分から唇を離すの……
「契約違反……これでおあいこです」
目を見ずに言ったら顎クイされてまた捕まってしまう。
「紗和……好きだ。お前の全部が欲しい」
自然とこぼれた涙は頬を伝って落ちた。
一番聞きたかったセリフ……言ってくれてありがとう。
「私も好き…大好き……私も全部欲しい…!」
更に強引に重なった唇。
欲望には勝てない事を思い知った。
私達は今日、
契約に反する行為をしてしまった。
もう……後戻りは出来ない………
後戻り……したくない………
「あ、サンプル……」
「バカ、嘘に決まってんだろ」
「…だと思った」
「お前ガード甘過ぎ。ちゃんと断われよな」
「どうせ見てるくせに…」
「俺の知らないところでああだと困る」
痛いとこ突くなぁ……
「仕方ないじゃん……秘書課はモテるんだって」
「……………」
え?今のジョークなんですけど!?
リアクションしてくれなきゃ困る。
恐る恐る見上げるとやっぱり不機嫌な顔。
素直にごめんなさいした。
繋ぐ手の指を絡ませ額にキスされた。
何だ、怒ってないじゃん。

