え?え?どういうこと!?
その場に居た姉以外の誰もが頭真っ白になった瞬間、鼻息荒くまくし立てている血走った副社長が私だけを見ていた。



「君を、秘書として迎え入れたい」



え、ナニコレーーーーー!!!
漫画やドラマの世界だけだと思ってた。
現実にこんな事があっていいの!?



「あの、紗和…秘書技能検定1級なんでかなりお役に立てるかと」



ちょっと…!
勝手にハードル上げないでよ…!
私まだ何も承諾してないよ!



聞くと、隣に居た秘書らしき人は正式な秘書ではないらしい。
年も年なので後釜を探していたところ、運良く?私を見つけたと言っていた。
私が!?秘書っ!?
ひぇ〜!務まる気がしない……



報酬が倍って事に笑いをこらえきれていない姉が何を考えているかなんて手に取るようにわかる。



「最低限度、ルールはお守りくださいね?うちの紗和、人気あるので他の日はやむを得ず指名された代行業務に当たる場合がありますので悪しからず」とルールブックを満面の笑みで渡してる。


「他の代行業務って例えば?」



「守秘義務がありますので実際あるクライアントは言えませんが…例えて言うなら、講師代行……レンタル友人……レンタル彼女、ですかね」



今の言い方絶対悪意ある…!!
明らかに顔色変えて「そんなの絶対ダメだー!」って吠える副社長。
そうなる事は姉の中で完全に想定内だったらしく「じゃあお買い上げされます?彼女、高いですよ〜」なんて不敵の笑み浮かべて。