確かにかけた深山紗和の携帯番号。
__もしもし
出た相手の声は明らかに男の声で……
そのまま画面を確認したが間違いなく紗和にかけている。
__もしもし?誰?
太くて低い声がもう一度受話器から聞こえてきた。
予測不能な事態にすぐ反応出来ないで居る俺は持っていたプリンを落としそうになる。
__あ、もしかして紗和の知り合い?ごめん、勝手に出ちゃったんだけど今紗和潰れてて…
どんどん悪い想像ばかり膨らんでいく。
お前こそ誰だよって怒りもわいてきて………
__深山紗和さんの携帯ですよね?
ようやく出た第一声は少し震えてた。
__え?男だよ?ヤバくない?紗和起こして!ごめん、勝手に出ちゃった
他にも誰かが居るのか!?
遠くで「紗和〜」と呼ぶのは女の声だった。
__驚かせてごめんなさいね?今、宅飲み中で…あ、俺は同僚の者です。あなたは誰ですか?
__プリンを……届けに来た者です
俺は一体何を言ってるんだ……
ダサ過ぎる………
__え?プリン!?紗和プリン頼んでたの!?え、もう着いてます?
__はい、ただ部屋番号聞いてなかったもので……
__あぁ……じゃあ俺が受け取りに降りますね?
えっ!?お前が!?
どこの誰だか知らねぇのに!?
高圧的な態度取りやがったら俺も黙っちゃいねぇぞ!
ドキドキしながら立っていたら、金髪で髪を立たせているいかつい男が出て来た。
筋肉も半端なくて胸板も厚い。
格闘技でもやっていそうな出で立ちに若干引いてしまった。

