休みの日もおそらく、うちの会社の為に時間割いてる事くらい想像がつく。
あれだけ用意周到するにはかなり努力してくれてんだ。
ちゃんと休めてんのかな……?
今こいつに倒れられたら……仕事回んねぇかも。
常に先をよんで絶妙なタイミングで導いてくれる。
うまくいかない時や気が落ちそうになった時も、側に来て笑顔で接してくれる。
そっと出してくれるコーヒーで頑張れたりするんだ。
単純な事なんだけど他の奴がするのとでは全然違う。
ていうか、お前の笑顔を見る為に気張れてんのかも。
何か……ご褒美やらねぇとな。
ご褒美………という事で開店前から並んでる。
この俺が、休みの日に?わざわざ!
ここのプリン屋、開店時間が昼の14時からとかふざけてやがる。
しかも営業時間が17時までの3時間しかやってなくて無くなり次第閉店だからそりゃ並ぶわな。
どれだけの味なのか全く知らねぇけど初めて行列に並んだ……
写メに撮っていたプリンを4個買って今、あのマンションの前に居る。
本当に……来てしまった。
何て言って渡すんだ!?
休みの日にわざわざ来る理由だよ!
この前食べたがってただろ?
………変じゃないか!?
ていうかどこか出掛けてたらどうするんだよ。
マンション前でウロウロするのも怪しまれると思い、思いきって入る事にした。
が、しかし部屋番号まではわからない。
どうしたものか。
やっぱり電話をかける事になる。
まさかの事態なんてこれっぽっちも頭になかった。
普通に喜ぶ顔が見れるって思ってただけなのに。
これほど心が凍りついた事はない。

