代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉




次に会った時も会社ではいつも通りの秘書ぶりで、仕事となればとにかくデキる女を演じてる。
欲しい時に全てが揃った状態ですでに用意されてるんだから毎回頭が下がる。
不意打ちの予定変更も何のその。



いつしか他の企業からも「深山さんなら安心して任せられる」なんて声も上がるほどだ。



建設現場に足を運んだ時も、一歩下がった場所であれこれ指示しなくても話をまとめてくれているし写真に収めてる。
ある時関係ないところで携帯カメラを出して収めていたのを俺は見逃さなかった。



「ん?」



後ろから確認すると俺に気付いた途端慌てて携帯をしまう動揺ぶり。
とあるプリン専門店。



確か雑誌にも載る行列の絶えない人気店で今はまだ営業時間外だがもうすでに何人か開店待ちで並んでいるほど。
メニュー表に映っていた期間限定プリンを写メに撮っていたようだ。



「何?お前プリン好きなの?」



「いや…あの、すみません、行きましょう」



恥ずかしそうに頬を赤らめてテンパるところが可愛く思う。
帰りの車の中でもう一度問い質すとようやく好きだと認めた。
オープン当初は代行で並んだ事もあったらしい。



「ほっぺが落ちるほど美味しい」と熱いプリン愛を語り出すからよっぽどだな。
ネット販売ナシで一店舗のみの
ブランドだから並ぶ価値があるんだと。



「昨日コンビニのプリンで我慢したから大丈夫です」って強がっちゃって。
コンビニプリンも最強説を延々と語りやがって……可愛いなチクショウ。