「ずっとずっと俺のパートナーで居ろよな?助け合おうな?」
「止めろよ、気持ち悪ぃ」
「俺達の仲だろ!?」と勢い余って副社長の頬にキスをした。
何なの……この酔っ払い達……
嫌がる副社長を抱き締めながら私だけに見えるよう堀越社長はウィンクしてきてハッとした。
先輩方に向かって誤解を解くチャンスだ…!
「実はこういう仲でして、私がどうのこうのという話じゃないんです」
なんてね。
2人には悪いけどそういう事にしてもらいます。
酔っ払ってるし覚えてないよね?
そっちの噂が立つけど……ごめんなさい。
今回は、堀越社長に助けられた……のかな。
上手く誤魔化せたかどうかはわからないけど、とりあえずその場は収まったように思う。
だがしかし……この酔っ払いをどうしようか。
堀越社長は電話で秘書を呼び出し連れて行かれた。
ソファーに座ったまま首を曲げて寝ている副社長。
水をもらい起こしても夢の中。
仕方なく運転手さんを呼んで一緒に運んでもらう。
「送って頂くって会社までですよね?」
ダメ元で聞いてみたらいつもお世話になっているとかで快く自宅まで送りますと言ってもらえてホッとした。
私も少しシャンパンを飲んでいたからどのみち運転出来ない身だ。
リムジンの中で思い返す。
2人があんな堂々と私を賭けて潰れるまでお酒を浴びるなんて……
いつも周りに気を遣う彼らが周りを顧みないとか有り得ない訳で……
本当に私の為に……?
ちょっとした振動で私の方へ寄りかかってきた副社長はそのまま私の膝の上に寝そべった。

