「あの2人を止めれるの、深山さんしか居ないから」
え〜〜〜、今行ったら火に油な気がするんですけど………
でも仕方ない、これ以上は周りに迷惑をかけるだけだ。
気が引けるが前へと進む。
「副社長、堀越社長、もうそろそろお止めになった方が……体に差し支えますよ」
ダメだ、2人とも目が座ってる……
「あ?これは男同士の賭けなんだ、邪魔するな」
「いくら紗和ちゃんの頼みでもこればっかりは聞けないな…よし、俺はまだまだいけるぞ」
フラフラになりながらまたグラスを取り口に運ぶ。
ていうかこぼしてるし。
慌てて止めに入る。
「ちょっと…!一体何なんですか?もう危ないから…賭けって何?」
ビシッと2人から指を差された私は固まる。
急に何なの!?
そしたら2人同時に「お前だよっ」て………
「キャッ…!」と後ろから先輩方の声が漏れる。
口を押さえて間違いなく興奮してる。
いや、違うっ…!!
更に勘違いしないで…!!
私の努力が泡になる…!!
副社長に向かってバカ…!と口パクしたら「え?何?」ってフラついてそれを堀越社長が支えた。
仕方ねぇなぁ…なんて聞こえながら。
「ウォー!響也ぁー!」と突然叫び出し思いきり副社長を抱き締めた。
びっくりした周りは一斉にフリーズしてる。
一触即発だった男同士が今は抱き合っているこの状況を誰が整理する?
「俺はお前が好きだーっ!!響也ー!!」
「ぐ……ぐるしい…」

