代行秘書 ときどき レンタル彼女⁉




話が……勝手にぶっ飛んでる………
入っていけないし説明するのも正直面倒くさい……
自分達で話しながら目がハートになってるし。
すっごく妄想の世界に入ってらっしゃる。



「つまり……先輩方は私が、副社長に恋愛感情を抱いていると…お考えですか?」



「うんうん」



「あ、でも副社長の方がゾッコンなのか?」



どうしてもそう仕立てたいのね。
逆に乗っかる手もなくはないけど……危ない橋だ。



「もう絶対口説かれてるでしょ?見てたらわかるもーん」



絶対ときたか……やはり恐るべし秘書課の洞察力。
職業グセが裏目に出てるよ〜。



「あの、ですから、前にも言いましたけどこの後も2週間先の雑用まで強いられている状況で私には鬼にしか見えないと……それに、万が一口説かれたとしてもプライベートまで一緒になんて……」



これでお察しください……
プライベートで一緒に居たのなんてほぼ契約上でだし。
本当の本当のプライベートまではまだ知らない……当たり前だけど。



「まぁそれはわかる気がするけど〜」と共感を示してくれる。
よし、もうひと押しかと気合い入れた瞬間……



「ねぇ、アレ……ちょっと飲み過ぎじゃない?」



一人の先輩が後ろを指差す。
皆で振り返るとそこには、真っ赤な顔をした副社長と堀越社長がその場にあったシャンパングラスを次々と飲み干している姿があった。



「ちょっとヤバくない?」



周りも誰も止める勇気のない人達ばかりで先輩方も私をそっと押す。