「うん、逆にありがとう」


爽やかに笑ってきた。



なんやねん、こいつ!!
意外とイケメンだしなんかムカつくわぁ〜




それから私は、自分のペースで走った。

西島くんも私のペースに合わせてくれる。






グラウンド10周は、結構しんどい。




私が疲れているのが分かったのか、途中でペースを下げたりしてくれた。



西島くんって無愛想に見えて気遣い上手なんだ。



自然と笑顔になる。





「やーーーーっと、走り切ったあ!」




ぜいぜいと呼吸しながら水を飲む。


こんなに水って美味しかったっけ?




西島くんは、水飲まないのかな?



「水持ってきてないの?飲む?」


水筒を差し出した。



「え?」



戸惑う西島くん。



そんなに、私の水筒嫌なのかな?


平然な顔をしていて全然疲れてなさそう。


でも、今日は暑いし、飲んでた方がいいよね?


「疲れてなくても飲んでた方がいいよ。特に今日は暑いからさ~」



顔が赤くなる西島くん。



「え、どうした?顔赤いよ。大丈夫?」



「宮本さん、自分がしてる事分かってる?」




あ………。

これっていわゆる間接キス…なのか…?


気づいた途端、すぐ顔が赤くなる私。



「ご、ごめんっ!!!全然気づかなくて」



「別に大丈夫。気遣いありがと…」


照れる私たち。



沈黙が続く…




「こっ、個別練習入ろっか!」



陽気に振舞って、場の空気を変えようとする。



「うん、そうだね」



そう言って、私達はそれぞれで練習し始めた。