次の日の休み時間。


その出来事は、急だった。


絢香の隣で廊下を歩く。


私たちの目的は、職員室。


絢香が朝練に使った体育館の鍵を返し忘れたらしく、私は暇だから絢香についてきた。


「ほんとに咲良は小さいなぁ、かわいいかわいい」


よしよし、と私の頭を絢香がなでてくる。


その言葉を聞いて、わざとムスッとした顔をして絢香を見上げる。


「いいよ、小さい方が速く動けるしねっ!」


絢香の笑い声を聞きながら私は廊下を走った。


「ほぉーらね?」


後ろに振り向いて